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アトピー性皮膚炎等アレルギー疾患の鍼灸治療

アレルギーとは

アレルギーという概念は1906年von Pirquetによって初めて提唱されました。allos(変わった)ergo(働き)という意味の2つの言葉から成り立っていて、「変じた反応能力」を意味していました。

現在ではアレルギーは彼の提唱したような生体に有益な免疫と生体に有害な過敏症を包括する概念ではなく、過敏症のみを意味するものになっています。

アレルギーは現在は1型から5型に分類されています。1型から3型は即時型、4型は遅延型とも言われます。

(1) 1型アレルギー(アナフィラキシー型)

主役はIgE(デアニン)。気管支喘息、蕁麻疹、花粉症、アトピー性皮膚炎、食事性アレルギーなどの局所性のものと、ペニシリンショックなどの全身性のものがあります。

(2) 2型アレルギー(細胞傷害型)

赤血球、白血球、血漿板などの細胞自身が抗原となり、これにIgG、IgMなどの抗体が結合して、これに補体が作用してできた物質にマクロファージが異物として貪食、一方補体系の作用で赤血球などの細胞が溶解します。免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少症、無顆粒球症、橋本病、重症筋無力症、新生児溶血病などがあります。

(3) 3型アレルギー(免疫複合体型)

抗原とIgG、IgM、IgAなどが結合してできた抗原抗体複合物(免疫複合体)に補体が結合しこれが二次的に組織障害をおこすほか、この時、発生した白血球遊走因子が血管壁の透過性を高め、集まってきた好中球のタンパク融解酵素の作用で組織破壊が起こります。血清病、糸球体腎炎、慢性関節リューマチ、全身性エリテマトーデス、アルツス反応などがあります。

(4) 4型アレルギー(細胞免疫型)

T細胞が放出するリンフォカインにより組織破壊が起こるほか、リンフォカインの作用で集まってきたマクロファージや白血球から放出される化学物質によっても炎症が引き起こされます。抗原に接してから反応が起こるまで12時間以上かかるので遅延型アレルギーとも言います。結核症、ハンセン病、真菌症、接触性皮膚炎(漆や銀杏によるかぶれ)、移植時の拒絶反応、ツベルクリン反応などがあります。

(5) 5型アレルギー(刺激型、機能亢進型)

基本的には2型アレルギーに類するもので、自己抗体あるいはホルモン受容体に対する抗体が作られこの刺激によって臓器や組織の機能が亢進し、有害な症状を現すものです。バセドー病があります。

アトピー性皮膚炎について

アトピー性皮膚炎とはアトピー素因の個体に発生しやすい湿疹様変化のことです。「アトピー」と聞けばアトピー性皮膚炎のことを創造される方も多いと思いますが、「アトピー」という言葉自体の意味は、アトピーの概念が発表された当時では 「遺伝的素因を背景として成立する健常人では反応のみられない条件下における感作」を意味していました。現在では「IgE抗体を産生しやすい素因(アトピー素因」と理解されています。

よってアトピー性疾患とはIgE抗体がその発症に関与している疾患をさしていて、アトピー型気管支喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎(鼻アレルギー)、アトピー性皮膚炎、アナフィラキシーショックなどがあります。

さて、アトピー性皮膚炎の話に戻って・・・その症状は乳児期では滲出傾向の強い鮮紅色斑で始まって、頭、顔、頚などから体幹、四肢へと拡大します。漿液性丘疹、落屑,痂皮などを伴います、重症例ではびらん、浸潤などをきたします。

成長と共に鮮紅色調は薄れ,乾燥傾向、毛孔性角化、粃糠様落屑などが目立つようになります。慢性に経過して、完成された病巣では苔癬化が著しいですが、機械的刺激を受けやすい部位が侵されやすくなります

掻痒は常に著しく、発作的なこともあります。皮疹は季節的に発症することが多いようです。

多くは思春期前に軽快しますが、10~20パーセントは成人後まで症状が出ているようです。

発症機序としては食物アレルギー、家塵、ダニなどに対する即時型反応(1型アレルギー反応)および遅延型反応(4型アレルギー反応)などが注目されています。

東洋医学でのアトピー性皮膚炎

まずは古典での皮膚病について書きます。人体の陽気は理(そうり)を開いて体表から常に発散されています。それに対し陰気は理(そうり)を閉じて発散しないように働いています。陰気と陽気は季節によって変化しています。春夏は発散が多く、秋冬は発散が少ない、昼間は発散が多く、夜間は発散が少ないといった具合です。

この陽気と陰気の働きに変化があると、悪寒や発熱といった病症を表しますが、皮膚病でも同じことが言えます。陽気の発散が悪くなる、つまり肺気が虚して陽気の発散と循環が悪くなると、その部位に発赤が生じます。または球疹や水疱が出来ます。これは熱が停滞した状態です。

この他にも肝虚、脾虚、腎虚などによっても熱が発生し、その熱が体表などに停滞して皮膚病を起こしている事があります。

アトピー性皮膚炎は肝虚や腎虚から熱が発生し、その熱が肺経に波及したものです。または体質的にオ血があるために発症します。

小児の頃から副腎ステロイド剤を使用している場合、副腎ステロイド剤は腎の津液を乾燥させるので、更に熱を発生させてしまいます。熱は表に出ようとしますが、もともと肺気が弱いので熱を体外に発散しきれないで体表に熱が留まり皮膚は赤黒くなり、治癒に時間がかかります。またオ血は陽気の発散を阻害するので、更に治癒に時間がかかるという訳です。

和み堂のアトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎はアレルギー反応なので、体質を変えていく事が治療になります。当院では体質の改善と経絡の調整、痒みやその他の症状を悪化させるストレスなどを除去し、治癒に導きます。アトピー性皮膚炎は体質の影響が大きいので、治療には時間がかかります。

しかし、治療の途中で痒みによって無意識に掻いてしまって症状を悪化させるというような事があると、なかなか治療効果を期待できません。なので、特に症状が強い時はステロイド剤の使用も必要になりますが、注意して頂きたいのはステロイドの使用は出来るだけ短くする事が大事です。その時の症状を完全に抑えられるだけの強い薬を短期間、使用するという事が大切です。弱いステロイド剤を長期間使用するのではなく、症状を短期間で抑える事で使用量を最小限にするのです。

ステロイドの副作用についてはご存知の方も多いと思いますが、患者さんから聞く話では、皮膚科ではすぐにステロイドを処方されて、効き目が悪いともう少し強いステロイドを処方するといったような事が多いようです。ステロイドを長期間使用すると副腎機能影響を及ぼす可能性もありますし、それに伴っていろんな副作用も考えられるので、なるべく使用は避けたいものです。

※現在は日本皮膚科学会によりガイドラインが示されたこともあり、ステロイドの処方は適切部位に適切量の処方が行われるようになっているようですが、ステロイドを長期使用することによる弊害についてはまだまだ改善の余地があるようです。

話は戻って、症状が落ちついている間は鍼・灸治療により体質改善を図り、皮膚の状態を保つために保湿剤等をこまめに塗る事をお勧めします。皮膚は正常な状態では身体を保護する役割もありますので、皮膚のバリア機能を最大限に引き出す事が治療効果を最大限に引き出すのです。

しかし、市販の保湿剤では身体に合わないという方も多いとお聞きします。そのような場合は保湿剤といってもなるべく含有成分が少ないもの、植物性油など天然成分のものを選択していただくと良いと思います。

アトピー性皮膚炎の症例

明石市 N.Iさん(19歳女性)

もともと、ひどいアトピー性皮膚炎があった訳ではないが、アレルギー体質であるため、湿疹などは出やすい体質。生海老などにアレルギーがあり、喉がイガイガして腫れぼったくなるとのこと。

疲れや不規則な生活、脂っこい食生活などにより肘窩(肘関節の前面)が赤黒くただれて来院。

アトピー性皮膚炎の治療 1回目

証: 脾虚胃虚熱証

治療内容: 本治法は太白(たいはく)、大陵(だいりょう)、足三里(あしさんり)に1寸3部0番鍼で補法。

標治法: 腹部、背部は反応を診て同じく1寸3部0番鍼で刺鍼。肘関節前面は1寸3部1番鍼で瀉的に散鍼して治療終了。皮膚の赤みは薄れて、かゆみも収まっているとのこと。

アトピー性皮膚炎の治療 2回目(2007年4月25日)

前回の肘関節の症状は翌日にはほとんど赤みも消失しており、翌々日には赤みは消失し、かゆみもないとのこと。それ以来、肘窩の症状は出ていないとのこと。

今回はケンタッキーフライドチキンを食べた翌日にピザという食事内容が続き、肩関節の後面が赤く爛れたような症状が出現。

証:脾虚胃虚熱証

本治法:太白、大陵の補法に加え、腹部に冷えがあること、下腹部に圧痛があり、便秘気味ということで、合谷(ごうこく)、上巨虚(じょうこきょ)、下巨虚(げこきょ)などにも1寸3部0番鍼で刺鍼。

標治法: 腹部、背部は反応を見て刺鍼し、肩関節後面に瀉的散鍼。 使用した経穴(ツボ))は肺兪、脾兪、三焦兪、腎兪など。

この日は皮膚科も受診しており、錠剤のかゆみ止めと、マイザー軟膏(ステロイド系軟膏)を処方されていたが、 治療後、皮膚の赤みとかゆみは軽減していたので、軟膏は様子を見て、使用量に気をつけるようにアドバイス。

アトピー性皮膚炎の治療 3回目(2007年4月30日)

前回の治療後、皮膚の赤みもほとんど消失している。まだ皮膚のざらついた感じは残っている。

治療後、かゆみ止めは服薬したが、軟膏は翌日に一度だけ使用したとのこと。

証:脾虚胃虚熱証

本治法:太白、大陵に1寸3部0番鍼で補法。

標治法:腹部、背部は反応を診て1寸3部0番鍼で刺鍼。肩背部から肩関節後面に瀉的散鍼して治療終了。

皮膚の状態は少ししっとりして柔らかくなった感じ。特にかゆみも無い、皮膚の色も正常となった。

考察

この症例の方はアレルギー体質と言っても軽症であり、発症後来院が早かったために治療階数も少なくて済みました。初期段階で服薬との併用治療がより効果を上げた例とも言えます。症状が重症だったり薬剤の処方が噛みあわなかったら治療はもっと長引いていたと思われます。

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